●ヌルベク・エゲン『婚礼の前に』(ロシア=キルギス=フランス=ドイツ)@東京国際映画祭

当日深夜に解禁される当日券購入サイトにおける争奪戦に毎晩ことごとく敗れている今回の映画祭では『実録・連合赤軍』以外マトモな作品を観ていない。これは前情報なしに会場に乗り込んで上映時間が一番近いという理由だけで選んだ作品だったがとてもヒドかった。パンフレットで確かめた、在仏キルギス人青年が婚約したフランス女との結婚の許しを乞いに女連れで実家に帰るという設定からは、伝統や因習にしがみつく少数民族と高慢チキなフランス女とがとまどいながらも様々な障壁を乗り越えて通じ合っていくというようなミニシアター風味の小品が出てくるものとばかり思っていたが、実際、そのようでもあり、そうでもなかったような気もする。主人公の青年の呪われた血の記憶(300年前に王の息子でありながらジプシー娘と恋愛して起こった悲劇)がNHKの日本史番組『そのとき歴史は動いた』の再現ドラマみたいな映像で断片的に語られていくとか、ナターシャ・レニエが不細工すぎるとか、