●ワシーリエフ『チャパーエフ』(34)

社会主義リアリズム映画の手本とされた、スターリンにも絶賛された作品。デコボコのストーリーがダラダラと展開されるうえに、赤・白・民兵・属国民・農の階級的・イデオロギー的差異を示す記号処理が杜撰で読解困難。軍人たちが寝る前に披露するロシア民謡の数々に興味を覚えた。


足立正生「中東情勢の新展開・その背景にあるもの」(『情況』05年5月号)

05年当時における中東情勢の分析を試みた論考。レバノンのハリーリ元首相暗殺の真犯人はブッシュである?


小森健太朗グルジェフの残影』(文春文庫)…神秘思想家の評伝でもあるミステリー小説。ロシア革命前後のサンクト・ペテルブルグが舞台。いまちょうどボリシェビキが新政府を樹立したところ。


白井聡「〈力〉の降臨…レーニン『国家と革命』の一元論的読解」(情況05年5月号)

気鋭の研究者による180枚の大作。ズバリ革命論。ひとまずはロックな読物として拳をふりかざしておきましょう。